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折り鶴再生紙かるた舞う 中区で初の県大会 札に広島の名所・歴史盛る

 平和記念公園(広島市中区)に寄せられた折り鶴の再生紙でできた「郷土かるた」を使った初の県大会が29日、中区の県民文化センターであった。NPO法人おりづる広島(南区)が企画。札に広島の名所や歴史を盛り込み、団体戦で競った。(栾暁雨)

 県内に住む約90人が参加。中学生以上と小学生以下の部に分かれて、3人1組で白熱した勝負を繰り広げた。参加者は句が読まれると素早い手つきで並べられた絵札を奪い合い、「パーン」という音が会場に響いた。

 小学生以下の部で優勝した東区の戸坂城山小6年松井海央(みお)さん(12)、丹司千歳さん(12)、小森美空(みく)さん(12)は「1カ月練習した成果が出せた。これまで知らなかった広島の魅力をゲーム形式で学べて楽しかった」と喜び合った。

 郷土かるたは原爆の子の像などにささげられた折り鶴の再利用の一環で、おりづる広島が2006年に製作を開始。44枚一組で「安芸の宮島 朱の鳥居」や「勝て勝て カープ われらの誇り」「爆風に 耐えて伝える 原爆ドーム」など読み札の文言は公募で選んだ。絵札は県内の若手アーティストたちが手がけた。

 これまで市町の児童館などで大会が開かれてきた。船田和江理事長(72)=南区=は「県大会にすることで競技人口を増やし、郷土への愛着を深めるきっかけになれば」と話し、来年も開催したいとしている。

(2023年1月30日朝刊掲載)

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