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　「応援してくれる地域の人に成長を見てもらえた」。広島市安佐南区の伴中放送部の２年山根千昌部長（１４）は、はにかむ。学校近くの沼田公民館で２８日、制作したドキュメンタリー映像「校歌に託された願い」を披露した。

　校歌を作詞した元同校教諭が生前、シベリア抑留で辛苦を味わい、人一倍平和を願っていた事実を追った。「探偵になったような気分」で、週末に故人の弟や教え子へインタビューを重ねた。映像は昨年８月のＮＨＫ杯全国中学校放送コンテストで優秀賞を受賞。メモを取る審査員の険しい表情に驚いただけに、公民館での上映会では来場者の優しい表情がうれしかったという。

　すでに次の作品のテーマ探しに取り組む。各部員が生活で感じる疑問を持ち寄り話し合っている。「次こそ最優秀賞を取って、地域をもっと喜ばせたい」（宮野史康）

（２０２３年１月３１日朝刊掲載）