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中電150億円赤字へ 原発停止響き2年連続の最終赤字 14年3月期

 中国電力は29日、2014年3月期決算の純損益が150億円の赤字になる見通しを発表した。停止している島根原発(松江市)に代わって稼働する火力発電所の燃料費が膨らみ、2年連続の最終赤字となる。期末配当は未定とした。(山瀬隆弘)

 中電によると、原発停止で約1400億円、安い石炭を使う主力の三隅火力発電所(浜田市)のトラブルで約250億円の減益につながった。燃料費の総額は過去最高の6340億円で13年3月期より480億円増える。一方で、赤字幅は前期より約70億円少なく、修繕工事の延期や資材費の圧縮などのコスト削減を進めた。

 期末配当は未定。中電は「安定配当が基本。経営環境が不透明な中、来期の業績見通しも考慮して判断する」とした。13年9月中間期には前年と同じ1株25円の配当を出している。

 今期の売上高は1兆2450億円で3・8%増え、過去最高を更新する。燃料高を料金に反映させる制度で販売単価が上がり、景気の回復傾向を受けて工場など産業用の需要も増えた。本業のもうけを示す営業利益は10億円で、2年ぶりの黒字となる。

 中電は、原発が再稼働しないと純損益の黒字化は困難とする。今期はこれまで、島根原発や三隅火力の稼働が見通せないとして、売上高を除く業績予想を公表していなかった。

(2014年1月30日朝刊掲載)

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