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　５月に広島市で開かれる先進７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）に向け、第６管区海上保安本部（南区）は３１日、主会場となるグランドプリンスホテル広島（同区）近くで海上警備訓練を実施した。広島海上保安部など管内８部署から約１００人、巡視船など１０隻が参加した。

　訓練は、同ホテル近くの海域に侵入しようとする抗議船を巡視艇が発見した想定で始まった。抗議船は汽笛や停船命令を無視し「ただちにＧ７を中止せよ」と書いたプラカードを掲げて進行を続けたため、２隻のゴムボートで挟み込んで強制的に停止させた。海上保安官が船に乗り移り、抵抗する船員を取り押さえた。

　同ホテルは三方が海に面しており、６管警備救難部の宮田英二郎警備課長は「動き続ける船の規制は難しいが、流れを確認できた」と強調。視察した海上保安庁の瀬口良夫次長は訓示で「隙のない海上警備態勢の構築のために準備していく」と述べた。（前田薫奈）

（２０２３年２月１日朝刊掲載）