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放影研 移転合意を発表 広島大と会見 霞キャンパスへ

 日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(放影研、広島市南区)と広島大(東広島市)は2日、放影研の広島大霞キャンパス(南区)への移転に正式に合意したと発表した。米側も賛同しているといい、放影研は移転に関する財政支援を求める。

 この日、放影研の丹羽太貫理事長と広島大の越智光夫学長がオンラインの記者会見で明らかにした。放影研や広島大によると、1月18日付で放影研が広島大に移転を文書で申し入れ、26日付で広島大から了承を得た。米側は「大賛成」しているという。

 丹羽理事長は「ようやく解決を見た。機器・施設の利用や教育への関わりなど広範な協力関係があり得る」と強調。越智学長も「放影研しかないデータもある。共同研究し、最終的には治療に結び付くのが理想だ」と話した。

 計画では、霞キャンパス内にある産学官の共同研究施設を撤去。放影研と広島大が10階建て延べ約7700平方メートルの施設を新築する。1階を広島大も使う。2023年度に設計、着工し、25年度利用開始を目指す。

 総事業費は、市総合健康センター(中区)への移転を検討した際に放影研が積算した約61億円を参考にする。放影研は23年度に、厚生労働省へ補助金を申請する見通し。一方、厚労省は日米両政府の負担割合を巡って米側との交渉が難航し、新施設の建設費は日本側が全て負担するとしている。(小林可奈)

(2023年2月3日朝刊掲載)

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