×

ニュース

若者 核廃絶へ活動報告 平和首長会議 加盟都市の生徒ら 基町高の寺西さん「原爆の絵」披露

 平和首長会議の国内加盟都市の若者による活動報告会が4日、広島市中区の原爆資料館を主会場にオンラインであった。基町高(中区)の生徒ら8団体の代表者が、戦争体験継承などの取り組みを発表し、核兵器のない平和な世界の実現に向けて意見を交わした。(平田智士)

 基町高普通科創造表現コース3年の寺西栞理(しおり)さん(18)は被爆者の証言を聞いて制作した「原爆の絵」2点を披露。二葉山(東区)の中腹に逃げた多くの人々が炎上する街を見下ろした様子や、爆風で井戸に打ち付けられて気を失った4歳の少年を描いた油彩画を前に「言葉だけでは伝わりにくい証言者の記憶を、忠実にキャンバスに残した今回の経験を伝えていきたい」と話した。

 沖縄尚学高(那覇市)の生徒2人は太平洋戦争末期の沖縄戦で看護要員として動員され、女学生20人以上が犠牲になった「白梅学徒隊」の継承活動を踏まえ「彼女たちがけが人の手当てをした薄暗い洞窟の中の蒸し暑さ、砲弾が落ちてくる恐怖を想像し、戦争の本当の姿を知らないといけないと思った」と振り返った。

 参加した13人は戦争体験者の高齢化が進む中で次世代へ記憶を伝えていく方法について意見交換。小中学生への出前講座ではさまざまな考えを認め合うことを学べる討論形式が効果的だった、との声があった。

 平和首長会議には現在、166カ国・地域の8237都市が加盟。青少年による活動報告会は被爆と戦争体験、平和の願いを受け継ぐ目的で2020年度から開いている。

(2023年2月5日朝刊掲載)

年別アーカイブ