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広島県予算1兆1403億円 23年度「コロナ後」に重点 5年ぶり減

 広島県は3日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は過去2番目の規模の1兆1403億2千万円。22年度当初に比べ0・3%減少し、5年ぶりのマイナス編成になった。国の経済対策と連動した22年度補正予算案と一体的に編成し、新型コロナウイルス禍からの経済の回復や広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)の準備などに力点を置いた。

 歳出は6分野に財源を重点配分した。内訳は重複を含め、新型コロナ対応(722億円)物価高騰・円安への対応(169億円)気象災害への対応など社会的基盤の強化(705億円)コロナ後を見据えた経済の発展的回復(212億円)欲張りなライフスタイルの実現(914億円)広島サミットの開催とレガシーの継承(31億円)。

 湯崎英彦知事は、記者会見で「新型コロナは社会経済に深刻な影響を及ぼし、デジタル技術の利活用の遅れや人口密度の高い大都市の感染症のリスクを顕在化させた。新たな局面を地方のチャンスと捉えたい」と述べた。県経済の活性化に向けてデジタルトランスフォーメーション(DX)や人材の育成を加速化させる考えを示した。

 新規事業では、小規模事業者にDXの活用を促すため、経営指導員の技術向上を図り、相談窓口を設置する。中山間地域の小規模県立高への遠隔教育も拡充。オンライン診療を導入する医療機関や薬局には専門家を派遣して支援する。

 新型コロナの感染対策では、PCR検査体制や自宅療養支援など、現行の対応を当面継続できる予算を確保した。広島都市圏の病院を再編し、広島市東区二葉の里地区に新病院を建設する構想では、運営形態や医療機能を具体化する基本計画を策定する。

 歳入は、県税を0・4%増の3417億4300万円と見込んだ。借金である県債は14・4%減の878億7200万円を発行し、23年度末の残高は2兆4006億円で過去最多になる見通し。貯金のうち財政調整基金は106億円を取り崩す。県は当初予算案を7日開会の県議会定例会に提出する。(永山啓一)

(2023年2月4日朝刊掲載)

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