×

社説・コラム

『想』 松原裕樹(まつばらひろき) 市民のC7サミット

 広島で5月開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)が成功する秘訣(ひけつ)は市民参加にあります。  昨年、ドイツであったG7エルマウサミットの首脳コミュニケ(共同声明)では、「G7のエンゲージメントグループによる、我々(われわれ)の討議に対する重要なインプットに感謝する。(一部抜粋)」と宣言されました。

 ここで言うエンゲージメントグループとは、社会のさまざまな関係主体としてG7に対話や提言を行うグループのことで、「C7(Civil society…市民社会)」「B7(Business…ビジネス)」「L7(Labour…労働)」「S7(Science…科学)」「W7(Women…女性)」「Y7(Youth…ユース)」「T7(Think tank…シンクタンク)」があります。Cのマークには馴染(なじ)み深い広島人ですが、私は今年、C7の運営委員としてG7サミットに参加します。

 C7の活動として、7カ国の市民社会組織を牽引(けんいん)するため、昨年5月に国内のNPO法人やNGO(非政府組織)により「G7市民社会コアリション2023」を立ち上げました。そして「国際保健」「経済正義・変革」「環境・気候正義」「人道支援・紛争」「開かれた社会」「核兵器廃絶」の六つのワーキンググループを通して提言を作成し、4月に東京で開催するC7サミットにて岸田文雄首相に提言書を渡します。

 また地球規模の課題を解決するためには、提言のみならず私たちの行動変容も不可欠です。4月16、17両日には広島で「市民サミット」を開催します。国内外の市民が集い、国・地域・立場・世代の垣根を越えて、私たちのありたい未来やアクションについて話し合いたいと思います。

 核兵器のない、誰一人取り残さない、持続可能な社会を実現するため、共にG7サミットに参加しましょう。(ひろしまNPOセンター事務局長、G7市民社会コアリション2023共同代表)

(2023年2月9日朝刊セレクト掲載)

年別アーカイブ