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連載・特集

@ひろしまサミットまで 96日 高射砲台跡

 広島市南区元宇品町は瀬戸内海国立公園に含まれ、豊かな森が広がっています。その中心部にひっそりとあるのが、太平洋戦争中に、陸軍が敵機を撃ち落とすために築いた高射砲台跡。今は台座の一部がわずかに残ります。

 市郷土資料館(南区)によると、元宇品町には高射砲台が3カ所あり、隊員の兵舎もありました。兵舎は原爆投下翌年の1946年4月から2年間、宝町(現中区)にあった校舎を原爆で焼失した旧制山陽中(現山陽高)の仮校舎になりました。山陽学園の記念誌が当時の様子を伝えています。戦時中にわが子を旧制山陽中に通わせていた元宇品町の男性が机やいすをかき集め、生徒の学びを支えました。(久保友美恵)

(2023年2月12日朝刊掲載)

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