×

ニュース

西平和大橋に歩道橋 イサム・ノグチ設計 広島市検討 車道との間を確保へ

 広島市を東西に貫く平和大通りにあり被爆からの復興を象徴する西平和大橋(中区)について、市が2023年度に歩道橋新設の検討に入ることが10日、分かった。車道と歩道の幅が狭く、交通事故も相次いでいた。世界的彫刻家イサム・ノグチが設計し、対をなす平和大橋(同区)と同様に欄干を残し、歩行者と自転車専用の橋を近接させるデザインを想定している。(加納亜弥)

 本川に架かる西平和大橋(102メートル)の車道は幅11メートルと、平和大通りの標準的な幅16メートルより狭い。両脇の歩道も幅1・6メートルで歩行者と自転車が擦れ違うのもぎりぎり。手前の道から急に道幅が狭くなるため、乗用車が歩道を越えて欄干にぶつかるなどの交通事故がたび重なっている。

 市は23年度から国土交通省太田川河川事務所と橋新設に向けた協議を始める。新たに橋脚が立つことで、洪水や高潮の際に川の流れに与える影響などを技術的な視点から検討する。

 西平和大橋と、400メートルほど東に位置する元安川に架かる平和大橋は1952年、国直轄事業として完成した。被爆からの復興のシンボルとして市民に愛されてきた。平和大橋では市が2019年、総工費約13億円を投じて歩行者と自転車の専用橋を新設。22年度に車道拡幅の工事が完了し、西平和大橋の検討に入る準備が整った。

 具体的なスケジュールは今後、市内部で詰める。市道路計画課の本畝学課長は「完成すれば歩行者も自転車も安全に通行できる。平和記念公園を中心にした回遊性アップにもつなげたい」と話している。

(2023年2月11日朝刊掲載)

年別アーカイブ