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「平和のため行動」サーローさん感涙 祇園北高1年生約300人が手紙送る

 祇園北高(広島市安佐南区)の1年生約300人が、カナダ・トロント在住の被爆者サーロー節子さん(91)=南区出身=の長年にわたる平和活動について英語授業で学び、本人に感想を書き送った。届いた手紙の全てに目を通したサーローさんは、生徒たちの「平和のために行動する」という言葉に励まされている。

 授業では核兵器廃絶を世界に訴えた2017年のノーベル平和賞授賞式での演説の英文原稿を読んだり、授賞式を伝えるテレビ番組を見たりした。さらに、自らの気付きを日本語でつづり、昨年12月に郵送。一部はメールで送った。

 サーローさんはノーベル平和賞授賞式で13歳の時の被爆体験を語り、核兵器を「絶対悪」と断じた。生徒たちはその言葉を受け止め、「平和とは何か自問自答し続けたい」「命の尊さを伝えられる人になりたい」などと伝えた。国内外で活動を続ける姿に感銘を受けた生徒は「諦めず、逃げず、強い意志を持って進み続けるサーローさんを尊敬しています」と書いた。

 サーローさんは古里の若者たちからの便りに「涙を流しながら読んだ。活動をこれからも続けよう、との思いをさらに強くした」と話す。

 手紙による交流は、同校外国語科の殿重達司教諭が提案。前任校の三次高(三次市)でも同様の取り組みをした。「信念を貫く生き方から学ぶことは多い。平和のために何ができるか考え、行動するきっかけにしてほしい」と話す。

 織田千智さん(16)は「広島が復興できたのも多くの被爆者たちの努力があったからだと教わった」。川本空さん(16)は「長年の活動を知って、自分も人の役に立つ仕事をしようと決めた。もし対面できたら感謝を伝えたい」と話した。(新山京子)

(2023年2月14日朝刊掲載)

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