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@ひろしまサミットまで 94日 県産業奨励館

 世界各地から訪れる人に78年前の惨禍を伝える広島市中区の原爆ドーム。最初は「広島県物産陳列館」として1915年に完成した西洋建築です。特産品をPRする施設でした。

 設計したのはチェコ人の建築家ヤン・レツルです。3階建てのれんが造りで中央部分は5階建て。「広島県産業奨励館」に改称後の38年の写真(中村恭子さん、益田崇教さん提供)から、その上にドーム屋根がのっていることが分かります。屋根は真上から見ると、円ではなく実は楕円(だえん)です。

 戦後いつしか、通称は「原爆ドーム」に。96年、「広島平和記念碑」として世界文化遺産に登録されました。時代ごとの名前が、建物の役割の変遷を表しています。(湯浅梨奈)

(2023年2月14日朝刊掲載)

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