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[広島サミット5・19~21] 「被爆者と首脳 対話を」 広島・長崎市長 G7各国大使に要請

 広島市で5月にある先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、松井一実広島市長と田上富久長崎市長は14日、G7各国が東京都内に置く大使館を一緒に回り、首脳たちによる原爆資料館(広島市中区)視察や被爆者との対話を求めた。

 日本政府が各国首脳による原爆資料館の視察をサミットの日程に組み込む方向で調整する中、両市長も働きかけを強めた形だ。

 両市長は各国の駐日大使と相次いで面会し、各国首脳たちの長崎訪問も併せて要請した。バイデン米大統領は敬虔(けいけん)なカトリック教徒で知られる。エマニュエル駐日米大使は長崎市の浦上教会(浦上天主堂)を念頭に「カトリックの歴史があるという特性も伝える」と答えたという。田上市長は「検討の俎上(そじょう)に載っているという感触はあった」と報道陣に話した。

 両市長は官邸も訪れた。報告を受けた岸田文雄首相は「逆方向に向かっている核兵器廃絶の流れを反転させる機会にしたい」とサミットの意義を改めて強調。各国首脳の長崎訪問については「長崎の気持ちは分かっている」としながらも「今はまだサミット自体の日程を固めている段階だ」と述べるにとどめた。

 松井市長は報道陣に、「(各国駐日大使は)核兵器のない世界を目指すという理想の追求が重要だと、本国にしっかり伝えていただけるのではないか」と期待を示した。(中川雅晴)

(2023年2月15日朝刊掲載)

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