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[広島サミット5・19~21] 「世界の市民 被爆地訪れて」米駐日大使

首脳の長崎訪問も示唆

 米国のエマニュエル駐日大使は15日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、G7サミットが5月に開かれる被爆地の広島市について「世界の市民全てが行くべきだ。それが責務だと思う」と述べた。広島サミットに合わせ、G7首脳が同じ被爆地の長崎市を訪問することも示唆した。

 エマニュエル氏は、岸田文雄首相の案内で昨年3月に原爆資料館を視察した経験を振り返り「心が非常に重かった。首相が皆さんに広島に来るように呼びかけていることは適切だ」と述べた。ロシアのプーチン大統領による核の威嚇や、核戦力を拡大する中国に触れ、広島でサミットが開かれる意義を強調した。

 広島サミットに合わせて来日する各国首脳の訪問先については「広島市だけではなく、日本の主導の下、世界の首脳を適切な場所に導いてくれると思う」と語り、長崎訪問の可能性に触れた。バイデン大統領のサミットでの発言内容については「推測できない。大統領に代わって発言はしない」とした。

 日本の防衛力を抜本強化する安全保障関連3文書の改定に関しては、事前に米側の要求があったかとの質問には「ノーだ。日本が主権国家として自衛の国益を考えた」と主張。ロシアのウクライナ侵攻前に岸田首相が防衛力強化を掲げていたとし「世界の変化を捉えた」と評した。LGBT理解増進法案に関しては「日本人の価値観が反映され、今国会で法制化されると思う」と述べた。(中川雅晴)

(2023年2月16日朝刊掲載)

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