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ジェンダー視点の核禁条約 広島のセミナーに70人

 「ジェンダーと核兵器禁止条約」をテーマにしたセミナーが19日、広島市中区の原爆資料館であった。市女性団体連絡会議と市が主催し、約70人が来場。ジェンダー(社会的性差)の視点で、核軍縮の議論を進める意義を学んだ。

 講師は中国新聞社ヒロシマ平和メディアセンターの金崎由美センター長(52)が務めた。女性や子どもに与える放射線の健康影響は男性より大きいとする研究成果が、近年注目されていると説明。「ジェンダーの視点で核兵器の非人道性を捉えることが、廃絶に向けた鍵の一つになる」と述べた。

 一方、核軍縮交渉の場では「男性が意思決定の中心であり続けてきた」とし、男女が等しい立場で議論する必要性を指摘。「男性中心の権力構造から排除されるのは女性にとどまらない」と述べ、核実験被害者や少数民族の声も議論に反映させる必要性を唱えた。

 「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)メンバーの瀬戸麻由さん(31)との対談もあった。核軍縮に向けた日本政府の役割を巡り、瀬戸さんは「核保有国と非保有国の橋渡し役と言いながら、保有国の側に立っている」と強調。核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加するなど、日本政府はより積極的に取り組むべきだと訴えた。(根石大輔)

(2023年2月20日朝刊掲載)

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