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被爆伝承者「制度改善を」 広島市、意見交換会を初開催

 広島市は18日、被爆者に代わって体験を語る活動をする市の「被爆体験伝承者」たちとの意見交換会を初めて開いた。伝承者と研修生の計95人が参加。被爆者が高齢化していく現状に合わせた制度に改めるよう求める声が上がった。

 会合は中区の原爆資料館であり、非公開。市側は、稲田亜由美・市被爆体験継承担当課長たち3人が出席した。参加者によると、被爆証言者が途中で亡くなり研修が打ち切られるケースが相次いでいるため「研修が継続できるよう早急に制度の見直しが必要」との声が上がった。このほか「体験記や証言ビデオも伝承活動に取り入れるべきだ」などの意見が出たという。

 市の伝承者事業は2012年に始まった。証言者から聞いた体験を原稿にまとめるなど2年間の研修後に活動し、現在は164人が登録する。

 意見交換会は、今後の制度の在り方について伝承者たちから直接意見を聞くため市が企画した。稲田課長は終了後、「伝承が途切れず続く方法を検討したい」と話した。(湯浅梨奈)

(2023年2月19日朝刊掲載)

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