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原爆資料館 展示入れ替え 広島 学生服や日記 「あの日」伝える60点

 原爆資料館(広島市中区)は17日、被爆資料を一部入れ替えた本館の常設展示の公開を始めた。2019年にリニューアルして以来、3度目の展示替え。より多くの収蔵品を紹介し、一人一人の苦しみと「あの日」の記憶の継承につなげる。

 14~16日に臨時休館し、本館に展示する約500点のうち60点を入れ替えた。被爆後に皮膚に張り付き、脱がせるためにはさみで切られた学生服、8月5日で終わった学生の日記、「黒い雨」を浴びた跡が残るふんどし…。子どもを含む多くの命を奪った原爆の非情さと遺族の悲痛な叫びを今に伝えている。

 入れ替えは展示品の劣化を防ぐ目的もあり、おおむね年1回のペースで実施している。今回は被爆者が描いた「原爆の絵」も同時に替えており、新たに御幸橋や周辺の当時の惨状を表した6点を並べた。

 シンガポールから家族旅行で訪れた大学講師ジョー・テイさん(42)は「子どもの展示に、特に心を動かされた。友人や家族と共有し、訪問も促したい」と話していた。(小林可奈)

(2023年2月18日朝刊掲載)

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