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世界記憶遺産へ折り鶴申請計画 禎子さん遺族の団体

 広島市中区の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんの折り鶴について、NPO法人サダコレガシー(東京)は17日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)への申請を計画していると明らかにした。

 法人の副理事長で、禎子さんのおいの佐々木祐滋さん(52)=東京=によると、申請対象として検討しているのは、被爆10年後に白血病のため12歳で亡くなった禎子さんが病床で折った鶴などの関連資料。遺族側が広島市へ寄贈し、原爆資料館(中区)が所蔵している。

 被爆80年となる2025年の登録を目指し、今後、広島県や市に働きかけて官民の任意団体をつくりたい考え。別の折り鶴の贈り先の一つで、原爆投下時のトルーマン米大統領を記念する図書館との連携も検討するという。祐滋さんは「禎子の折り鶴を記憶遺産に登録することで平和への思いを広めたい」と話している。

 世界記憶遺産は歴史的に重要な記録物を保護するためのユネスコ事業。文部科学省によると、申請は原則所有者がするが、同意があれば第三者もできるという。(小林可奈)

(2023年2月18日朝刊掲載)

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