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連載・特集

@ひろしまサミットまで 90日 ドーム保存工事

 永久保存が決まった翌年の1967年、原爆ドーム(広島市中区)の保存工事が行われました。「想像以上の劣化で、それは大変な工事だった」。建設会社の社員で現場責任者を務めた故二口正次郎さんは生前、そう語っています。倒壊しないよう細心の注意を払い、壁の割れ目やれんがの隙間などを樹脂の接着剤で埋めていきました。

 市はこれまで保存工事を計5回実施。おととしは、米軍が被爆後に撮影したカラー写真を参考に、ドーム部分の鋼材をピンクから焦げ茶色に塗り直しました。工事費用は、全国からの寄付金を充てた「原爆ドーム保存事業基金」で賄っています。被爆100年に向けて、核兵器の残酷さを静かに訴え続けます。(新山京子)

(2023年2月18日朝刊掲載)

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