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秋葉前広島市長「気付けなかった」 佐村河内さん楽曲問題

 作曲家佐村河内守さんに2008年11月、広島市民賞を授与した秋葉忠利前市長は6日、中国新聞の取材に「真の作曲者が誰であるのか、気付くことができなかった。結果的に事実と異なる内容を多くの皆さまに伝える役割を果たすことになった。おわび申し上げる」と述べた。

 秋葉氏は、市長退任後に特任教授として勤務する広島大を通じてコメントも出した。

 それらによると、佐村河内さん側から07年、送られてきた自伝「交響曲第一番」を読み、「交響曲第1番 HIROSHIMA」のCDを聴いて感動。市ホームページなどに載せた「市長日記」で紹介した。

 08年9月に広島市であったG8議長サミットの記念コンサートでの演奏実現にも力を貸したという。

 秋葉氏は「この過程で真の作曲者が誰であるのか、気付くことができなかった」と振り返り、「とにかく驚いた。本当に残念だ。被爆者に寄せる思い、核兵器廃絶への強い願いは本物であってほしいと祈っている」と述べた。

 秋葉氏は、取材時点で市が検討段階だった市民賞の取り消しについて「夢と希望を与える人に贈る賞。市にはその意義に沿った対応をしてほしい」と話した。

 市民賞はこれまでに45人と35団体に贈られている。02年の設置後、取り消した例はないという。(新山京子)

(2014年2月7日朝刊掲載)

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