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[広島サミット5・19~21] 資料館視察「しっかり検討」 首相 各国首脳に「実相伝える」

 岸田文雄首相は20日、東京都内で講演し、5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、各国首脳による原爆資料館(中区)の視察を「しっかり検討している」と述べた。原爆資料館視察は広島県・市が強く求めており、首相が公の場で自ら言及したのは初めて。

 関係者によると、日本政府はサミット初日の5月19日に資料館視察を日程に組み込む方向で調整しているという。首相は講演で「G7首脳をはじめ世界に被爆の実相を伝えることは、あらゆる取り組みの原点として重要だ」と力を込めた。

 被爆者とG7首脳の面会実現についても、日本政府は検討を進めている。広島、長崎両市に原爆を落とした米国の賛同が得られるかが焦点となる。

 首相は、ウクライナに侵攻したロシアが核兵器による脅しを繰り返していることにも触れ「G7のリーダーが被爆地広島に集い、核軍縮について議論する意義は大きい」と述べた。

 中国や北朝鮮の軍事活動などを背景に「(日本は)昨年末に安全保障戦略を大きく転換する決断をした」と説明し「まず優先すべきは外交努力だ」と訴えた。

 講演は、シンクタンクの日本国際問題研究所(東京)が主催した。(樋口浩二)

(2023年2月21日朝刊掲載)

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