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英語で平和授業 日米学生が交流 叡啓大とハワイ大マノア校 被爆証言聞き核廃絶誓う

 叡啓(えいけい)大(広島市中区)の学生約30人が21日、同大を訪れた米ハワイ州のハワイ大マノア校の学生たち8人と共に英語で平和授業を受け、被爆者の小倉桂子さん(85)=中区=の体験証言を聞くなどした。叡啓大は新型コロナウイルス禍の2021年に開学。海外の大学からの交流訪問は初めて。(湯浅梨奈)

 小倉さんは、8歳の時に爆心地から約2・4キロで被爆した証言を語った。被爆後に多くの遺体を見たことや、健康不安を抱き続けたこと―。「核兵器が二度と使われないよう、自分たちの未来のため行動して」と呼びかけた。4年のジェシカ・ラウさん(21)は「人間がこれほど残酷な武器を使ったことに衝撃を受けている。核兵器は廃絶しないといけない」と述べた。

 学生たちは、米国で根強い「原爆投下が対日戦争を終結させた」との主張を批判的に検討するハワイ大マノア校マツナガ平和研究所所長のブライアン・ハレット教授の講義を聴いた。真珠湾攻撃を目撃した市民の証言映像も視聴。1年梶原百恵さん(19)は「戦争と原爆投下を巡る米国内の議論について、新たに知ることが多かった」と語った。

 叡啓大は昨年10月、県とハワイ州の友好提携25周年に合わせハワイ大マノア校、ヒロ校と国際交流協定を締結した。今秋、交換留学も開始する。国際交流センター長の上杉裕子教授は「学生が日米双方の視点から平和を学び合う機会を大切にし、つながりを深めたい」と話していた。

(2023年2月22日朝刊掲載)

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