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写真が訴える福島の今 広島市中区で展示 撮影者の声も紹介

 東日本大震災と福島第1原発事故から3年になるのを前に、「聞かせて福島の声 みんなの撮った写真展」が7日、広島市中区の旧日本銀行広島支店で始まった。市民でつくる実行委員会が、福島で暮らす人たちに呼び掛けて集めた写真約150点を撮影者の思いとともに紹介している。

 時が止まったような廃虚の自宅、うずたかく積まれたがれき、外で遊べない子ども、仮設住宅での生活―。「先が見えない」「突然やって来て、ボランティアして全て終わりの人も多い」「絶対住めないのか除染したら住めるのかはっきりして」。写真に添えられた「声」には、進まぬ除染へのいら立ちや家族離散の苦しみ、賠償金に絡む住民同士のいさかいなど原発事故が個々の生活者にもたらした悲劇がにじむ。

 写真は昨年9月、実行委代表の原戸祥次郎さん(63)が福島を訪れ、報道機関などを通じて募った。原戸さんは「現地では復興に水を差すといわれ、不安やつらさを口にしにくい。福島の今を、広島の人にも見て、考えてほしい」と話す。13日まで。(森田裕美)

(2014年2月8日朝刊掲載)

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