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図書館移転 質疑相次ぐ 広島市議会 「再検討」「体制整備」訴え

 広島市議会で20~22日にあった総括質問で、市中央公園(中区)にある市立中央図書館をJR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)に移転する計画を巡る質疑が相次いだ。移転を疑問視する会派が再検討を求めた一方、現市政を支える会派は計画推進へ体制整備を訴えた。

 3日間の総括質問に立った11人のうち5人が中央図書館の移転を取り上げた。現市政に「是々非々」の立場を取る自民党保守クラブからは2人が登壇し、うち1人はA館の防火や漏水対策に関する市の説明について「理解、納得できない」と強調し、貴重な蔵書を守る対策などをただした。

 移転反対を掲げる共産党の市議は「関係者に丁寧に説明し、理解を得た上で移転先を決定する」とした昨年3月の市議会決議に十分応えていないと批判。A館の優位性を強調した現在地建て替えとの比較検討資料は根拠が不十分とし、専門家による審議会の設置などを求めた。無党派クラブの市議も「決議を無視し、市民を置き去りにしている」と非難した。

 一連の反対意見に対し、市民局の阪谷幸春局長は「決議に沿って丁寧に説明し、理解を得る手続きを経た」と答弁。共産党の市議から「説明だけで、理解を得る必要はないのか」と問われると「理解と納得は別だ」と答えた。

 「市長与党」会派の公明党の市議は、市が先月に移転計画をまとめたのを受け、「早急に移転を推進する体制を整える必要がある」と指摘した。専門的な知識のある職員の配置のほか、障害者の利用に配慮した対応なども要望した。(余村泰樹)

(2023年2月23日朝刊掲載)

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