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[広島サミット5・19~21] 綾瀬さん、平和を訴え 中高生参加のフォーラム

 5月に広島市内である先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、広島県内の中高生に戦争と平和について考えてもらう「G7広島サミットユースフォーラム」が26日、中区の広島国際会議場であった。俳優の綾瀬はるかさん=安佐南区出身=が被爆者から話を聞いた自身の経験を基に、平和の尊さを訴えた。

 綾瀬さんは報道番組などを通じて、祖母の姉が原爆で亡くなった経緯を聞き取ったほか、広島、長崎の被爆者たちと向き合ってきた。「今ある日常がどんなに大事かという強いメッセージをいただくことが多い。取材で聞いた話を戦争を知らない私たち世代に広めていく大事さを感じた」と語った。

 被爆者の田中稔子さん(84)=東区=や高校生との意見交換もあった。田中さんは多くの友人を失い、自身も重いやけどを負った体験を証言。演劇部が原爆劇に取り組む舟入高(中区)や、平和記念公園(同)の「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんの生涯を紙芝居で紹介している安芸府中高(府中町)の生徒も、それぞれの活動を紹介した。

 地元官民でつくる広島サミット県民会議が企画。同じ内容で2回開き、計1075人が聞いた。参加した東広島市の武田中2年藤猪結愛さん(14)は「さまざまな人の体験を知ることができ、さらに多くの人に話を聞いてみたいと思った」と話していた。(秋吉正哉)

(2023年2月27日朝刊掲載)

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