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インドネシア学生 原爆学ぶ NPOと交流や被爆証言聞く

 神奈川県の市民団体に招かれて来日したインドネシアの大学生たち10人が、平和学習のため広島市内を訪れた。被爆者から直接体験を聞いたり、原爆資料館(中区)を訪問したりしながら、原爆被害の実態について学びを深めた。

 一行は西ジャワ州バンドンの国立パジャジャラン大と私立ウィドヤタマ大で日本語学を専攻する学生たち。NPO法人ANT―Hiroshima(同)では渡部朋子理事長(69)から核兵器廃絶や国際協力に関する活動について説明を受けた。渡部さんたちが世界に広めている絵本「おりづるの旅 さだこの祈りをのせて」(うみのしほ作)のインドネシア語版を1冊ずつ贈られた。

 昨夏93歳で亡くなった被爆者の李鍾根(イジョングン)さんの証言ビデオも視聴。シャブリナ・ヌルサフィヤ・ファリッドさん(22)は涙を浮かべ「『原爆投下のおかげでインドネシアが独立できた』と教育を受けてきた。しかし、被爆者の苦しみを知って核兵器の恐ろしさに気付いた」と話した。渡部さんは「ヒロシマを繰り返さないよう、手をつなぎ一緒に頑張ろう」と学生たちに呼びかけていた。

 学生たちは豊永恵三郎さん(86)=安芸区=の被爆証言も聞いた。広島訪問は、神奈川県の市民団体「湘南とアジアの若者による未来創造事業実行委員会」が企画した。(湯浅梨奈)

(2023年2月27日朝刊掲載)

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