×

ニュース

首相 軍縮の停滞懸念 露の新START履行停止表明 「核なき世界へ機運高めたい」

 岸田文雄首相は24日の記者会見で、ロシアが米国と結んでいた新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を表明し、核軍縮が停滞することに強い懸念を示した。5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)を「再び核兵器のない世界を目指そうという、国際的な機運を盛り上げる機会にしたい」と述べた。

 広島、長崎への原爆投下以来77年続く核兵器不使用の歴史を、ロシアが「ないがしろにするのは決して許されない」と強調。核なき世界への道のりが一層厳しくなっているとの認識を示しながらも、「理想にどう結びつけるか。現実的かつ実践的な取り組みを進めて機運を高めていくことが重要だ」と訴えた。

 世界の政治指導者たちが被爆地を訪れる必要性を改めて力説。広島サミットでは「G7議長国として議論をリードしていきたい」と述べた。(樋口浩二)

(2023年2月25日朝刊掲載)

年別アーカイブ