×

ニュース

福島の避難所 現状と課題 笠岡で講演 浪江町職員「子のケア必要」

 岡山県笠岡市生涯学習フェスティバルが9日、市民会館であった。福島第1原発事故で被災し、全町避難を余儀なくされた福島県浪江町の紺野則夫健康保険課長(59)が講演し、市民たち約800人が聞き入った。

 演題は「必ず浪江町を取り戻します」。避難先の同県二本松市に臨時町役場を開設し、町民の検診手続きや健康手帳管理などの管理業務に当たる様子や生活ぶりをスライド写真などで報告した。

 避難所での共同生活の難しさにも触れ「騒ぐと親から注意されるので、子どもが無口になった。ケアが必要ではないか」と明かした。2017年度には町民が浪江に帰る計画を立案しており「実現に向け頑張りたい」と決意を述べた。

 フェスティバルは市などでつくる実行委員会の主催。市民の災害に対する意識を高めようと、浪江町に職員を派遣している笠岡市が同町から講師を招いた。(谷本和久)

(2014年2月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ