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「はだしのゲン」 教材採用継続を 広島市教委に金沢のNPO

 漫画「はだしのゲン」を平和教育の教材から削除する広島市教委の方針を受け、国内外にゲンの漫画を寄贈しているNPO法人「はだしのゲンをひろめる会」(金沢市)が、教材への採用を求める声明を広島市教委に出した。「戦争を知らない世代に、被爆の実相を伝える最適な作品」と訴えている。

 声明では「漫画の一部では被爆の実態に迫りづらい」「誤解を与える恐れがある」とする市教委の説明に対し、「時代背景の説明に時間と手間をかけるのが教育。違う場面を使う方法もある」と指摘。22日付で市教委に郵送したという。

 会はゲンの翻訳に取り組む市民団体などが加わり2012年に発足した。神田順一事務局長は「広島には全国の平和教育をリードする役割を期待している。ゲンを学校教育から遠ざける動きにつながらないか心配だ」と話している。

(2023年2月25日朝刊掲載)

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