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「争点が幅広かった」 山口知事選候補者 受け止め交錯

 「原発」争点化を避けた候補が当選した東京都知事選から一夜明けた10日、山口県知事選(23日投開票)を戦う新人候補3氏は、そろって「幅広い政策課題が争点となった結果」と受け止めた。中国電力上関原発(上関町)の建設計画がある同県知事選に、都知事選結果はどう影響するか―。各陣営や地元では、さまざまな受け止めが交錯した。

 都知事選は自民、公明両党が支援し、原発の争点化を避けた舛添要一氏が約211万票を得て当選。「原発再稼働反対」を掲げた共産、社民党推薦の宇都宮健児氏が約98万票で、「脱原発」を重点的に訴えた細川護熙氏は約96万票だった。

 山口県知事選では、無所属で元総務省官僚の村岡嗣政氏(41)=自民、公明推薦=が舛添氏と支援構図が重なる。「舛添氏と同じように期待に応えたい」。都政課題を地道に訴えたのが大差での勝因とみて、山口市の街頭で経済再生や人材育成などを幅広く訴えた。

 無所属で元衆院議員の高邑勉氏(39)=生活推薦=は「総合的な政策で有権者が舛添氏を受け入れた」と受け止めた。一方で「地元に原発のない東京と違い、山口県では目の前の問題だ」と強調。上関町で街頭に立ち「上関原発の計画を白紙に戻す」と訴えた。

 共産党公認で元周南市議の藤井直子氏(61)は「トップとは倍以上の差がついたが、よく健闘した」と宇都宮氏を評価した。原発問題だけでなく福祉充実や雇用拡大などをアピールして支持を伸ばしたとみて、「訴えの内容は同じで、結果は心強い」と歓迎した。

 県知事選は序盤戦を終えた。上関原発推進派で上関町商工事業協同組合の角田五明事務局長(65)は「エネルギーの将来を見据えた冷静な判断が広がれば」と期待。「原発に反対する上関町民の会」の村田喜代子共同代表(64)は「脱原発派の得票数は少なくなく、関心は高まった」と語った。

(2014年2月11日朝刊掲載)

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