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広島湾初 日米が共同訓練 海自・海軍 対中 連携の一環

 海上自衛隊と米海軍は27日、岩国市の米軍岩国基地沖の広島湾で初めて共同訓練をした。海自の輸送艦や米海軍の揚陸艦などが参加。海洋進出の動きを強める中国に対し、南西諸島の防衛を強める日米が相互の連携を深める訓練の一環とみられる。

 海自呉基地(呉市)を母港とする輸送艦おおすみと米海軍のドック型輸送揚陸艦グリーン・ベイ、海自の掃海艇などが参加した。午前10時20分ごろから約1時間、おおすみとグリーン・ベイにそれぞれ搭載した日米のホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)を発進させて入れ替え、格納する訓練をした。海自と米海軍が約200人ずつ参加した。

 陸上自衛隊や米海兵隊などは16日から九州・沖縄周辺で、離島の防衛を目的とした共同訓練「アイアン・フィスト」を実施している。この訓練に連動し、日米は広島湾での訓練に合意したという。

 米軍の戦略に詳しい沖縄国際大の野添文彬准教授(国際政治学)は「日米は台湾有事に備え、南西諸島の防衛に力を入れている。中国のミサイル能力が強まっており、沖縄より離れている岩国基地の重要度は増している」と指摘。「広島湾には岩国と呉に海自の基地があり、米軍も連携を深めやすい。さらに瀬戸内海は島が多く、離島防衛の訓練の場に選んだのではないか」と分析している。(有岡英俊)

(2023年2月28日朝刊掲載)

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