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核禁条約批准 原水協が訴え ビキニデー前に集会

 日本原水協は28日、静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験で被曝(ひばく)して69年となる1日を前に、静岡市で集会を開いた。ウクライナに侵攻したロシアが核兵器で脅しを続けていることから、核兵器禁止条約の批准を改めて日本政府や核兵器保有国に求める声が相次いだ。

 会場とオンラインで計約940人が参加。ドイツの平和団体「国際平和ビューロー」のライナー・ブラウン前事務局長はロシアに加え、核開発を続ける米国や中国を批判。「ビキニ事件の教訓を学んでいない。世界が破滅的な結末を迎えてしまう」と強調した。

 米国の平和団体メンバーは、ニューヨークで11月末に開幕する見込みの核兵器禁止条約の第2回締約国会議を念頭に「日米両政府に条約参加を呼びかけよう」と訴えた。広島県原水協の古田文和事務局長は海上自衛隊と米海軍が27日に広島湾で初めて実施した共同訓練に触れ、日米の軍事同盟強化に懸念を示した。

 1日のビキニデーは原水協、原水禁国民会議がそれぞれ中心となって静岡市で集会を開く。新型コロナウイルス禍の影響で現地開催はいずれも4年ぶりとなる。(山本庸平)

(2023年3月1日朝刊掲載)

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