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サミットで核廃絶主導を 静岡で原水禁・協 ビキニデー集会 4年ぶり現地開催

 米国のビキニ水爆実験で静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が被曝(ひばく)して69年となった1日、原水禁国民会議と日本原水協がそれぞれ中心となった二つの集会が静岡市であった。新型コロナウイルス禍の影響で、ともに4年ぶりの現地開催。5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)で核兵器廃絶の議論を日本政府が主導することなどを求めた。

 原水禁などの集会では約130人を前に藤本泰成議長が「広島、長崎、ビキニと続いた核被害を繰り返してはならないとの思いを共有しよう」と訴えた。水爆実験の放射線被害をテーマにした講演に続き、広島サミットを機に核兵器禁止条約を批准するよう政府に求めるアピールを採択した。

 原水協などの集会には、オンラインを含めて約1500人が参加。野口邦和共同代表は、広島サミットで議長を務める岸田文雄首相に「唯一の戦争被爆国の首相として核兵器禁止条約への支持を呼びかけるべきだ」と強調。松井一実広島市長は「ビキニ被災の実相を次世代に伝え、核兵器のない平和な世界の実現に向けた活動の輪を広げることは意義深い」とのメッセージを寄せた。

 乗組員として被曝した故大石又七さんの義妹、河村恵子さんもスピーチした。87歳で亡くなるまで700回以上の講演を重ねた大石さんを「誇らしく思う」と振り返り「バトンをつなぐのが私の役目だ」と話した。(山本庸平)

(2023年3月2日朝刊掲載)

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