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[広島サミット5・19~21] 酒かす原料の高級酢 センナリ・今田酒造 海外へ売り込み

 食酢製造のセンナリ(広島市安佐北区)と日本酒製造の今田酒造本店(東広島市)は、5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、酒かすを使った高級酢を共同開発した。20日に通販で発売する。欧米やアジアでの健康志向の高まりを受け、調味料や飲料用として世界に売り込む。

 商品名は「純赤酢」。今田酒造本店の日本酒「富久長(ふくちょう)」の酒かすを使い、センナリが造る。かき混ぜずに発酵させる昔ながらの手法で、2年以上寝かせた。酒かすの風味を生かすため、砂糖や塩、添加物は使わず、まろやかな口当たりと奥深い香りに仕上がったという。

 センナリは北米などに販路を持ち、高級酢のニーズが比較的高い海外で販売拡大を目指している。同じく海外展開を強めていた今田酒造本店に連携を打診。2020年に開発を始めた。

 今田酒造本店は2月、官民でつくる広島サミット県民会議が開いた海外メディア向けツアーの視察先の一つに選ばれた。酒造りの歴史や強みを外国人記者に紹介するなど、情報発信に力を入れている。

 150ミリリットル648円で限定6千本。センナリの通販サイトに加え、代理店を通じ欧州や東南アジアで売る。センナリの大地克史社長は「ギョーザやアイスなどさまざまな食べ物に合う。マイボトルとして持ち歩き、日常的に使ってほしい」、今田酒造本店の今田美穂社長兼杜氏(とうじ)は「近年は酒かすの消費量が減っている。新たな需要につなげたい」と期待する。(政綱宜規)

(2023年3月3日朝刊掲載)

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