×

ニュース

見通せぬ原発 論戦変化 山口・上関町議選告示 

 11日告示された山口県上関町議選(定数10)には中国電力の上関原発建設計画を争点に13人が立候補した。「原発誘致を進めながら高齢者対策も」「若者を呼び込み、原発に頼らない活性化を」―。準備工事の中断から、多額の原発交付金を当面見込めない中で迎えた改選。推進、反対双方の候補者が「原発財源なきまちづくり」のビジョンも示し、5日間の選挙戦に入った。(井上龍太郎、久行大輝)

 推進派は9人で現職7人、新人2人。現職の1人は出陣式で「新増設を今のところ考えていないという首相の発言は、いずれ考えるということ。思いを国に届けて計画を前に進めたい」と訴えた。

 反対派は4人。現職1人、元職2人、新人1人が立候補した。現職は「IターンやUターンをする若者らの受け皿づくりに全力を挙げる。原発に頼らないまちづくりをしよう」と声を上げた。

 福島第1原発事故が起き、予定地での作業はストップ。敷地造成の着手など局面が動いていた前回と状況が大きく異なる。

 推進派現職の1人は「原発は今後、どうなるか見えない。限られた財源で高齢者福祉の充実と若者の定住支援を進める」。出陣式で原発に一切ふれない推進派現職もいた。

 反対派元職の1人は「豊かな自然を生かして第6次産業化を進める。賛成、反対双方の共同作業で、過疎高齢化の町の見通しが出てくるはずだ」と呼び掛けた。

(2014年2月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ