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講談を聞いて訴える力確認 「ゲン」削除に問題提起 中区で集会

 漫画「はだしのゲン」を広島市立小の平和教育プログラムの教材から削除する市教委の方針に問題提起する集会が4日、広島市中区の広島弁護士会館であった。県内の元教員や被爆者でつくる市民団体が主催し、約120人が参加した。

 講談師神田香織さんがゲンをテーマに各地で上演してきた講談を披露した。登場人物に合わせて声色を変えながら、戦時中のゲン一家の生活や被爆時の様子を表現。火の手が迫る中、家の下敷きになった父親がゲンたちに向かって逃げるよう叫ぶシーンなどを、身ぶりも交えながら熱演した。

 続く意見交換では、市教委の方針を巡って「初めから外したいという意図が見えるような気がする」「ショックが大きかった」などと反対する声が相次いだ。元教員で被爆者の豊永恵三郎さん(86)=安芸区=は「みなさんの力で、削除させないという運動を起こしていきましょう」と呼びかけた。(小林可奈)

(2023年3月5日朝刊掲載)

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