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駐広島韓国総領事が帰任へ

 韓国の辛亨根(シンヒョングン)駐広島総領事(60)=写真=が3月初旬、3年の任期を終えて韓国外交部に帰任することが12日、分かった。広島で被爆した父を持つ被爆2世。中国新聞の取材に「縁のある広島で各界の方々と親交を深め、広島を身近に感じられた。感謝している」と語った。

 辛総領事は2011年3月に着任。管轄する中国地方5県との交流促進や在日韓国人のサポートなどを担った。11年には福山市鞆町、12年にはひろしまフラワーフェスティバル(FF)で朝鮮通信使の行列を再現。島根県・竹島の領有権問題をめぐって日韓関係が悪化する中、市民レベルの親善拡大に努めた。

 父は韓国原爆被害者協会会長を務めた故辛泳洙(シンヨンス)氏。広島で被爆後に帰国し、1974年に在韓被爆者で初めて被爆者健康手帳を取得するなど在外被爆者運動の先頭に立った。辛総領事も韓国人被爆者問題に力を入れ、9月をめどに論文を発表するという。

 辛総領事は54年生まれ。78年に韓国外務部(当時)に入部し、欧米と南米勤務を経て、04年から中国の青島と瀋陽で総領事を務めた。(田中美千子)

(2014年2月13日朝刊掲載)

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