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迫害証明提出は「裁量権の逸脱」 広島地裁の訴訟 シリア人側主張

 ウクライナへの留学歴からロシアが政権を支える母国で迫害を受けたとして、広島県内に避難している40代のシリア人男性が、在留資格を90日の「短期滞在」から就労可能な1年の「特定活動」に変更するよう日本政府に求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、広島地裁であった。国側は訴えの却下などを求めた。

 訴状などによると、男性はウクライナの医科大を修了後、2008年からシリア政府職員として勤務。昨年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、通訳として戦地入りを命じられ、拒否すると職を追われたという。

 11月に来日し、翌月に広島出入国在留管理局へ在留資格の変更を申請したが迫害を証明する書類の提出を求められた。資格変更の申請に伴う入管難民法に基づく特例などで、在留期間は一時的に延長されている。

 男性側は同管理局の対応はウクライナからの避難民と比べて不平等で、「裁量権の逸脱、乱用で違法」などと主張。国側は「審査は終わっており、訴えは不適法」と反論した。

(2023年3月7日朝刊掲載)

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