×

ニュース

反対の請願 継続審議に 広島市中央図書館 移転計画 市議会 任期5月1日まで 廃案か

 広島市中央公園(中区)にある市立中央図書館をJR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)に移転する市の計画で、市議会総務委員会は7日、移転に反対する6市民団体の請願5件を継続審議にした。現在の市議の任期は5月1日までのため、「廃案」となる可能性が高まった。

 請願は、いずれも移転中止や現在地建て替えを求める内容で、2022年2月~23年2月に提出された。この日の総務委では、委員9人のうち2人が「まだ疑問点がある」などと継続審議を提案。異議はなく、全会一致で決めた。

 終了後、渡辺好造委員長は取材に「議論が煮詰まっていない。今後も真摯(しんし)に向き合うべき課題と判断した」と説明。委員の一人で、複数の請願の紹介議員になっている共産党市議は「不採択になれば、議論が決着した形になってしまう。継続審査を決めたのは請願の『棚上げ』とは違う」と述べた。

 請願を出した市民団体の一つ「広島文学資料保全の会」の土屋時子代表は「まだこの問題は終わっていない。今後も要望活動などを続けていきたい」と話している。(野平慧一)

(2023年3月8日朝刊掲載)

年別アーカイブ