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原爆症訴訟 政府、積極認定の方針 来月6日めどに発表

■記者 東海右佐衛門直柄

 原爆症認定集団訴訟で、与党の被爆者対策プロジェクトチーム(PT)のメンバーは5日、広島市内であった訴訟支援団体の総会で、政府が東京高裁など六つの確定判決を基に、集団訴訟の原告について積極的に認定する方針であることを明らかにした。8月6日をめどに政府が発表するという。

 一方で、認定されない敗訴原告については、与党PTが議員立法により特別措置法案を今秋の臨時国会に提出し、原告や弁護団が求める「全員救済」を図る。

 与党PTの寺田稔衆院議員(広島5区)によると、6月末に河村建夫官房長官と舛添要一厚生労働相が懇談し、議員立法での救済方針も含め合意したという。

 原爆症認定訴訟をめぐり、5月末の東京高裁判決は、国が昨年4月に取り入れた新基準で対象外の疾病についても原爆症と認め、国の18連敗となった。政府は、原爆の日までに訴訟の一括解決を図る方針を公表している。


原告全員認定へ全力 原爆訴訟支援の会確認 広島で総会

 原爆訴訟を支援する会(代表世話人・田村和之龍谷大教授)は5日、広島市中区で総会を開いた。原爆症認定集団訴訟で、政府が8月の原爆の日までに一括解決する方針を示したことを受け、原告全員の認定を求めて運動を強化することを確認した。

 会のメンバーや原告、弁護団たち計70人が参加した。田村代表世話人が、相次ぐ原告側の勝訴判決を受け、国が認定基準を再見直しして6月末に対象疾病を拡大した動きを説明。「成果を挙げつつあるが、あともう少し。高齢化した被爆者を救うため力を振り絞ろう」と呼び掛けた。

 本年度の活動方針として、原告全員の認定や、司法判断に沿って認定基準の再々度の見直しを求めることなどを決めた。集団訴訟の全国弁護団連絡会の尾藤広喜副団長による講演もあった。

(2009年7月6日朝刊掲載)

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