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広海軍工廠の紹介充実へ 大和ミュージアムリニューアル 子ども向け体験展示も一新

 呉市は9日、開館20周年となる2025年度から順次リニューアルする大和ミュージアム(宝町)の第1段階の基本設計を公表した。3階の「船をつくる技術展示室」を全面改修して「科学技術展示室」(仮称)とし、呉海軍工廠(こうしょう)に比べて展示が少なかった、広海軍工廠の航空機製造技術などの資料を充実させる。子どもが技術を楽しく学べる体験型展示も一新する。(上木崇達)

 これまで船舶関連を取り扱っていた3階展示室は、航空機関連を含め、呉の地で培われ、引き継がれた技術全般を紹介する場にする。ものづくりのまち呉▽呉海軍工廠で培われた技術▽広海軍工廠で培われた技術▽サイエンスショー▽ものづくりチャレンジ―の5ゾーンに分類する。

 両海軍工廠を紹介するゾーンでは、導入された工作機械や技術を紹介。飛行機部や発動機部などの図面や文献、戦闘機用エンジン「誉(ほまれ)」の実物を展示する。子どもが各部の技術を体験できる工夫も凝らす。プロペラを回したり、潜水艦を潜らせる原理を学べたりするほか、スクリーン上で航空機や船舶を製造するシミュレーション装置を設置する。

 1階の「呉の歴史展示室」にも新資料を追加。戦後復興の様子を映像で伝えるコーナーを設ける。

 1階にあるショップや券売機は混雑解消のため、入り口前広場に移設する。昨年の基本計画策定時には約30億円と見積もった改修事業費は、約38億5千万円に増える。財源には合併特例債を利用、企業版ふるさと納税などの活用も検討する。

 第2段階のリニューアルは、大型資料を保管して見学も可能とする収蔵庫を、ミュージアム西側の駐車場に新設する。24年度に基本設計を実施する予定。計画の策定時は事業費を約38億円と算出しており、27年度のオープンを目指す。

(2023年3月10日朝刊掲載)

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