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核持ち込み岸田外相発言に「裏切られた気持ち」 地元広島

 「裏切られた気持ちだ」。岸田文雄外相(広島1区)が14日の衆院予算委員会で、有事でやむを得ない場合は米軍の核兵器持ち込みを認める可能性を否定しないとの認識を示したことに、外相の地元でもある被爆地広島では失望や憤りが広がった。

 「核兵器が使われたらどうなるか、被爆地選出の外相はよく知っているはずだ」。広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之事務局長(71)は言い切る。「核兵器の非人道性を踏まえ廃絶を訴える国際社会の声が強まっているのに日本政府はなぜ、絶対使わないと言えないのか」

 もう一つの県被団協(金子一士理事長)の大越和郎事務局長(73)も「核兵器の存在を前提にものごとを考えるべきでない。非核三原則の法制化を真剣に検討してほしい」と訴える。

 予算委で質問した民主党の岡田克也氏も、外相時代には非核三原則の堅持を掲げつつ、法制化には腰を上げなかった。政権が移ろうとも、米国の「核の傘」から抜け出そうとしない日本政府。広島市立大広島平和研究所の水本和実副所長(核軍縮)は「危機的状況とは何なのか国民に明確に説明し、核兵器を使わなくてすむよう努力するのが外交ではないのか。安易に使用に言及すべきではない」と指摘した。(岡田浩平)

(2014年2月15日朝刊掲載)

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