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被爆者ら核禁止訴え メキシコで「非人道性」会議

 (ヌエボバジャルタ発 山本慶一朗)核兵器が人体や環境、経済などに及ぼす被害について議論する第2回「核兵器の非人道性に関する国際会議」が13日、メキシコ西部ヌエボバジャルタで開幕した。初日の会合では日本を含む各地の被爆者らが核廃絶への歩みを加速するよう求め、各国政府代表ら約800人が聞き入った。

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の藤森俊希事務局次長(69)は、多くの被爆者が白血病などで長く苦しんできたことを紹介。「被爆者を苦しめ続ける兵器が非人道的でなくて何なのか」と訴えた。

 長崎市で6歳の時に被爆した山下泰昭さん(74)は成人後、つらい記憶を忘れるためメキシコに移住したが、精神的にも肉体的にも苦しみは続いていると強調。「核兵器の廃止と禁止」をスペイン語で呼び掛けた。

 長崎市の市民団体から「高校生平和大使」として参加した被爆3世の女子高生小柳雅樹さん(16)は「子どもの頃から教わってきた被爆の恐ろしさを語り継ぐ義務がある」と英語で語った。

 フィリピンの国連大使は被爆者の発言後、「勇気ある証言だ。各国と連帯し、完全な核兵器廃絶に努力したい」と話した。

 13日午後には日本赤十字社長崎原爆病院の朝長万左男院長が報告。1メガトン級の水爆が100万人規模の都市で爆発した場合、短期間で約37万人の死者が出ると警告した。オーストリア外務省は同日、3回目となる次回会合を年内にウィーンで主催すると発表した。

 会議は最終日の14日に議長総括が発表され閉幕。核兵器の使用禁止などのメッセージを打ち出せるかが焦点。

(2014年2月15日朝刊掲載)

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