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第五福竜丸「削除撤回を」 広島市教委へ県被団協など申し入れ

 広島市立学校向けの平和教育プログラムの教材から米国の水爆実験で被曝(ひばく)した漁船第五福竜丸の記述を削除する市教委の方針を受け、広島県被団協(佐久間邦彦理事長)など9団体は10日、市教委へ撤回を申し入れた。

 申し入れ書では、「世界の被曝の実態を継承する内容になっていない」という市教委の削除理由に反発。改訂を検討した有識者会議の議事録では、2人の委員が福竜丸に関する資料や歴史的な意義を補足するよう求めていたとして「(委員からは)教材を発展させる提起がされており、差し替えを求めていない」と訴えている。

 市教委へ申し入れ書を届けた佐久間理事長は「福竜丸のような被害はあってはならない。削除は被爆者として納得できない」と強調。対応した指導第二課の長屋吉輝課長は「福竜丸は歴史の教科書の記述とセットで学ぶように指導資料で促している」と理解を求め、撤回には応じなかった。(宮野史康)

(2023年3月11日朝刊掲載)

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