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@ひろしまサミットまで 69日 防空作戦室

 「広島が全滅しています」。原爆投下の「第一報」は広島城(広島市中区)の本丸跡にあった中国軍管区司令部の防空作戦室から発せられました。半地下の作戦室には学徒動員の女学生が交代で詰め、昼夜を問わず敵機襲来などの情報伝達を担っていました。

 福山の部隊に「全滅」を伝えた岡ヨシエさんは2017年に亡くなるまで、作戦室跡で学生に記憶を語り継ぎました。「全滅ということがあるか! 理由を言え」と問われ、外で倒れていた軍人の言葉を借りて「新型爆弾にやられた」と説明したそうです。

 天井のコンクリートが剝げ落ちるなど危険な状態にあるとして、市は17年度から公開を中止。現在、保存に向けた検討が進んでいます。(馬場洋太)

(2023年3月11日朝刊掲載)

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