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家族の被爆体験を証言 2世のグループが初 19日、広島

 被爆2世でつくる市民グループ「ヒバク2世の語ろう会」の3人が19日、家族の被爆体験について証言する講話会を広島市内で初めて開く。すでに亡くなっていたり高齢で証言できなかったりする父母に代わり、手記や聞き取りを基に原爆の悲惨さを伝える。

 野田次郎さん(76)と滝口裕子さん(68)=いずれも中区、菊池安芸子さん(57)=安佐南区。野田さんは爆心地から1・6キロの千田町(現中区)で被爆した両親について語る。生前の2人からは何も聞いておらず、市防衛課の職員だった父親の足取りを「広島原爆戦災誌」などで調べた。職員が罹災(りさい)証明書の発行に尽力した記載から「父もそうだったのか」と想像しながら思いを語る。

 母親が残した手記を基に語るのは滝口さん。原爆投下後の似島(現南区)で救護に従事した時のことなどを「あなたの声でいつか伝えてほしいと託された」と振り返り、手記の一部を朗読するつもりだ。86歳の母親から聞き取りを重ねてきた菊池さんも「姉を亡くした母の悲しみを代弁したい」と力を込める。

 原爆資料館(中区)地下1階の会議室1で午後1時半から。無料。同会☎082(843)7814(平日午後1~6時)。(新山京子)

(2023年3月14日朝刊掲載)

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