×

ニュース

[広島サミット5・19~21] 折り鶴アート 沼田高発 広島市内の子どもたち制作 6000羽使用

平和祈り立体2作品

 5月に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向け、安佐南区の沼田高美術部が、折り鶴のアート作品を制作している。市立の幼稚園と小中学校の子どもたちが折った約6千羽を活用。完成後、市中心部に飾り、一羽一羽に込められた平和への願いを発信する。(田中美千子)

 立体の2作品を作る。いずれも約1メートル四方で、高さは約2・5メートル。G7にちなみ、7色の折り鶴をふんだんにあしらう。一つは合掌する手を表現した作品で、上部には針金でかたどった折り鶴を飾る。もう一つは地球をモチーフにし、一部が回転する仕掛けを施す。

 市教委から依頼を受け、1月半ばに制作を開始。1~3年の部員約30人がデザイン案をそれぞれ持ち寄り、2案に集約した。今月下旬の完成を目指し、作業を進めている。部長の2年藤川莉世さん(17)は「サミットに携われるのは、きっと一生に一度の経験。海外から訪れる人たちに、私たちの平和への祈りを伝えたい」と意気込む。

 より多くの市内の子どもたちに広島サミットに携わってもらおうと、市教委は折り鶴の提供を呼びかけた。65園・校が応じ、各13~100羽を折ったという。副部長の2年戸田綺花さん(17)は「鶴を折ってくれた大勢の人にも喜んでもらえる作品に仕上げたい」と話した。市教委は、より多くの市民や来訪者に触れてもらえるよう、飾る場所や時期を検討している。

(2023年3月15日朝刊掲載)

年別アーカイブ