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「核禁止」強く促す メキシコ 非人道性会議が閉幕

 (ヌエボバジャルタ発 山本慶一朗)メキシコ西部ヌエボバジャルタで開かれた第2回「核兵器の非人道性に関する国際会議」は14日、法的拘束力を持つ国際規範で核兵器を非合法化することが「核なき世界」実現への道だと指摘する議長総括を発表して閉幕した。広島、長崎への原爆投下から70年を来年に控えた今こそ「行動の時だ」と強調、各国に核兵器禁止条約締結への努力を強く促した。

 議長総括は、核兵器の使用や不慮の爆発が人間の健康や経済活動に長期にわたって深刻な悪影響を及ぼすと指摘。核関連物質の拡散やサイバー攻撃、人的過失などにより核兵器が使用されるリスクが世界的に高まっていると警告し、特に核兵器がテロリストの手に渡る危険性に懸念を示した。

 その上で、兵器は歴史的に「非合法化の後に廃絶されてきた」と説明。国際法による核兵器禁止は「現存の国際法がわれわれに課する責務と矛盾しない」と強調した。

 非政府組織(NGO)ピースボートの川崎哲共同代表は「核兵器禁止条約の(制定議論)開始に等しい内容」と議長総括を評価、次回会合に期待を示した。

 会議には前回の127カ国を上回り、国連加盟国の4分の3に当たる146カ国が参加。核拡散防止条約(NPT)で核保有が認められた米国やロシアなど5カ国は今回も参加しなかった。

 会議では、広島で被爆し現在カナダに住むサーロー節子さん(82)ら被爆者と被爆3世の計5人が被爆体験を証言。長崎市の市民団体から「高校生平和大使」として参加した広島大付属高1年小桜智穂さん(16)=広島市安佐南区=も議論に耳を傾けた。次回は今年後半にオーストリアのウィーンで開かれる。

(2014年2月16日朝刊掲載)

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