×

ニュース

中央図書館 移転費可決 エールエールA館へ 広島市議会

 広島市中央公園(中区)にある市立中央図書館をJR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)に移転する市の計画で、市議会(定数54、欠員4)は14日の本会議で、移転関連費を含む2023年度一般会計当初予算案と22年度一般会計補正予算案を原案通り賛成多数で可決した。21年11月に市が、移転方針を打ち出して1年余り。計画が本格的に動き出す。(野平慧一)

 市提出の原案に先立ち、移転関連費を削除する議員提出の修正案を審議。共産党と無党派クラブの市議各1人が賛成討論に立ち「市民の理解を得る約束が果たされていない」「移転計画を強行する市の姿勢が反発を招いている」と訴えた。

 議長と欠席者を除く47人の採決で、賛成は自民党保守クラブ8人、ひろしま清風会と共産党各4人、市政改革クラブ2人、無党派クラブ1人の計19人にとどまり、否決した。反対は計28人で、内訳は自民党市民クラブ12人▽公明党8人▽市民連合6人▽清風会、清流クラブ各1人―だった。

 続く原案の採決は賛成40人、反対7人の起立多数で可決した。移転に反対する市民団体の藤川晴美代表は本会議を傍聴し「移転中止を求めた請願を継続審議にしたのは市議会のパフォーマンスだったのか。怒りを感じる」と話した。

 A館移転に向け市は3日、基本・実施設計の契約を大阪市の業者と1億4千万円で締結。22年度予算から繰り越す1億5800万円などを充てる。市は26年度の開館を目指している。

(2023年3月15日朝刊掲載)

中央図書館 移転費可決【解説】 熟議 尽くしたか疑問

年別アーカイブ