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「広島と連帯深めたい」 マ―シャル諸島大統領が初訪問

 米国の核実験場だったビキニ環礁がある中部太平洋・マーシャル諸島のロヤック大統領(61)が15日、初めて広島市を公式訪問した。中区の平和記念公園で原爆被害の実態に触れ、「言葉で表せないほど、心を揺さぶられた。広島や長崎、福島の人たちと連帯を深めていきたい」と語った。

 ロヤック大統領は原爆慰霊碑に花を手向けた後、原爆資料館を見学。志賀賢治館長の案内で、放射線障害に苦しむ被爆者の写真や焼け焦げた弁当箱などの遺品に見入った。

 被爆者の小倉桂子さん(76)=中区=の体験証言も聞いた。ロヤック大統領は「『核兵器はいらない』と世界に訴え、廃絶を働き掛けてくださり、感謝する」と声を掛けた。

 マーシャル諸島は日本の南東約4500キロ。29の環礁と五つの島からなる。1946~58年、米国が計67回の核実験を繰り返し、多くの住民が被害を受けた。

 ロヤック大統領は今回、外務省の招待で来日。本人の希望で被爆地を訪れた。16日に帰国する。(田中美千子)

(2014年2月16日朝刊掲載)

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